<阪神7-3横浜>◇11日◇甲子園

 阪神ランディ・メッセンジャー投手(28)が横浜打線を6回2失点に抑え、来日初先発初勝利をマークした。中継ぎとしてシーズンインした1年目。不調で2軍落ちも経験したが、ウエスタン・リーグで信頼を取り戻し、満を持して復帰。3カ月ぶりの1軍マウンドで、見違える投球を披露した。なかなか固まらなかった先発ローテに、Vへのメッセンジャーが加わる。

 鮮烈のビフォーアフターだ。セットアッパーから、見事な転身劇を見せた男が、今夜のヒーローだった。メッセンジャーが、生きる道を見いだした。真っ赤に染まった顔に、笑顔があった。来日初先発で6回2失点に抑えると、来日初勝利を手に入れた。そして、初めてのお立ち台に立った。

 メッセンジャー

 競ったペナントの展開で、すばらしいファンの前で勝ちに貢献できてうれしいです。

 言葉にうそはなかった。開幕当初は退団したアッチソンの代役を期待された。だが、11試合で0勝1敗、防御率も5・79まで落ち込むと、4月27日に2軍に降格した。「入団したときに、チームの勝ちに貢献できるのであればなんでもやりますと言ったから」と、5月中旬には先発転向も受け入れた。ようやくチャンスが巡ってきた、3カ月ぶりのマウンドで失敗は許されなかった。

 剛柔を備えた快投だった。巨漢から投げ降ろされる剛球は、最速153キロを記録した。ただ、力任せの投球ではなかった。セットアッパー時代からの、テンポの良さは健在。軽快なリズムで横浜打線を追い込んでいった。失点は内川に浴びた2本のソロ本塁打だけだった。

 勝たないといけない理由もあった。6月25日、日本で第2子を授かった。「子どもが大きくなったときに、日本にいたことを忘れないでほしい」。最適な日本語を探し回った。決定したミドルネームは「Jijo」。文字通り、次女の意味だ。愛娘も、パパの晴れ舞台を観戦に訪れていた。

 異国の地で手に入れたウイニングボール。メジャーでの初勝利、初セーブ、初安打の記念球の隣に、また新しい勲章が加わる。

 [2010年7月12日11時37分

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