阪神城島健司捕手(34)が29日、優勝への近道はこの時期に優勝を意識しないこと、とユニークな発想でナインに呼び掛けた。甲子園の横浜戦は雨天中止。30日の中日戦からは巨人を交えた首位攻防9試合のゴングが鳴る。だが城島は「何年も優勝してないのに意識する必要はない。まだ早い」と力説。その上で9月終盤、優勝をかけた勝負所が訪れると予言した。ダイエー、ソフトバンク時代に何度も修羅場のV争いを経験している男から、5年ぶり優勝を目指すチームに贈るお中元メッセージだ。
後半開幕から首位を奪い、優勝ムードは高まってきた。30日からは中日-巨人-中日と首位攻防の9試合が始まる。だが城島は、はやる報道陣を制するように言った。「去年阪神は優勝争いにからんでませんからね。優勝を意識して戦うのは3連覇も4連覇もしているチーム。何年も優勝してないのに意識する必要はない。まだ早いと思います」。雨の甲子園に熱く信念を語る城島節が響いた。
ダイエーやソフトバンク時代に、何度もシビれるV争いを体験してきた。当時を振り返っても、7月末の首位攻防は、ヤマ場とは言えない持論があった。では優勝を意識して戦うのはいつなのか。「9月後半になれば意識したくなくても、しないといけない時期が来るんです」。もっと先の9月終盤にこそ、天下分け目の決戦があると予言した。
怖いのは、過剰な意識で浮き足立つことだ。「惑わされてはいけない。何年も優勝してないチームは意識しないことも大事なんです」。好調時は時はよくても、少しでも負けが込めば負のスパイラルにハマる可能性もある。ましてや今からガチガチでは、本当の勝負所が来た時に燃え尽きている。「意識しないことが逆に(阪神の)強みですよ。今首位でも終わって3位じゃ意味がない。今は4位でも、最後に優勝が1番いいでしょう?」。今優勝を意識しないことこそ、優勝への近道だと力説した。
もっとも、3チームがひしめく混戦状態は歓迎した。「競る球団が複数いるのはマイナスじゃない。(追うにしろ追われるにしろ)1つ突っ走ると(意識して)大変だけど、(1位もあれば3位もあり)変に(首位を)意識することもない」。星のつぶし合いに加え、心理的側面からも混戦のままがベストと力説。もちろんその背景には投手&打撃の総合力で、最後は阪神が抜け出す自信があった。
当然、30日からの中日戦も自然体で戦う。「横浜がやりやすいとか、中日がやりにくいとかもない。どこに勝っても1勝は1勝。ホームで戦う時は2勝1敗、ビジターは3連敗しないことが最低の課題。そのためには初戦がすごく大事です」。司令塔は暑い夏場もクールでいく。すべては秋に笑うために。
[2010年7月30日10時58分
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