<阪神3-2中日>◇30日◇甲子園

 阪神久保康友投手(29)が今季最多12奪三振の力投で、チーム単独最多の9勝目を挙げた。初回に2点を失ったが以降は別人のよう。8回2死一、二塁で藤川にリリーフをあおぐまで快投を演じた。お立ち台では城島と並んで「粘れてよかった。今年一番、体の調子がよかったです」と客席に手を振った。

 投げれば負けない。自身6連勝で、先発すればチームは5月18日のソフトバンク戦以来11連勝。「よく打ってもらっているので。たまにはしっかり投げて野手に恩返ししないと」と謙遜(けんそん)するが、運だけでなく「大崩れしない」という最低限の仕事をするからチームに活気が生まれる。

 平均点を取れる投手から1つ上のステップに進もうとしている。試合後、仰天の告白をした。「今までと全然違うフォームで投げていた。一発で本番で試せました。不安はありましたね」。見た目に大きな変化はなかったが、久保の中では「革命」が起きていた。

 先日の球宴に監督推薦で初出場し、意識が変わった。「僕みたいな体の使い方をしている投手はいない。これまでと違うイメージが(頭に)入ってきた。一流の選手をじかに見て、いい刺激になった」。中でもキャッチボールをする中日吉見を参考にしてトライした。「簡単に言うと、間(ま)ですかね」。右腕の力をボールにうまく伝えられるよう、下半身の動きに注意を払うようになった。この夜、吉見と投げ合ったのは偶然だが、プロ入りしたころにも意識していた感覚を思い出していた。

 8月6日の30歳の誕生日を前に、進化のヒントを得たという右腕が頼もしい。「最後、本当は3人で抑えたかった。詰めるべきところを詰めないと」。虎投の屋台骨を支える男は最後に表情を引き締めた。【柏原誠】

 [2010年7月31日11時0分

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