楽天新監督の最有力候補になっている阪神星野仙一オーナー付シニアディレクター(SD=63)が12日、大阪市内で坂井信也オーナー(62=阪神電鉄本社社長)と会談した。両者間で、星野氏の意思を尊重しながら本人に一任することを確認。阪神のクライマックスシリーズ(CS)終了後ただちに楽天と交渉に移ることが確実になった。

 坂井オーナーは会談の具体的内容について触れなかったが「SDが決断することは尊重するし、応援もします」と、あくまでも本人の意向をくむ姿勢を示した。楽天の次期監督として名前が浮上した際に電話会談は行ったが、ひざ詰めの話し合いは初めて。03年に低迷したチームを18年ぶり優勝に導いた功労者として、慰留しない形となった。

 楽天は三木谷浩史球団会長(45)が星野SDとの交渉に関し、同オーナーから了解をとりつけている。球団オーナー、南社長の球団ツートップが阪神からの流出やむなしの判断を下した状況となって、今後は本人の態度が焦点となる。

 星野SDが伝統ある人気球団の阪神に強い愛着があるのは事実。一方で、これまで「どういう補強をするのか、どういうチーム作りをしたいのかで、これまでも(監督を)引き受けてきた」と球団のビジョンを監督就任の条件としている。阪神が改めて楽天との直接交渉を容認したことで、CS終了を待って楽天新監督への動きは加速することになる。

 [2010年10月13日9時13分

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