<日本シリーズ:中日2-5ロッテ>◇第1戦◇30日◇ナゴヤドーム

 “アラフォーコンビ”がアーチ競演した。主砲和田一浩外野手(38)と守備の要、谷繁元信捕手(39)が大舞台で2本の放物線を描いた。まずは和田だ。1点ビハインドの2回に先頭で迎えると、ロッテ成瀬の2球目直球を独特のスピンを効かせて右翼席最前列に突き刺した。2アウト後には谷繁がフルカウントからスライダーを振り抜き、左翼席中段に運んだ。ともに日本シリーズ5度目の2人がチームにカツを入れた。

 和田

 厳しいところはなかなか打てないんで、甘い球だけを狙っていた。

 谷繁

 打った瞬間、いったと思った。出合い頭です。続けていけるように頑張ります。

 横浜と西武。そして中日。2人のプロ野球人生は、日本シリーズを軸に絡み合ってきた。98年には横浜谷繁、西武和田として対戦。04年には中日谷繁、西武和田としてぶつかった。04年には谷繁が満塁本塁打を放てば、和田は7試合で4発。ともに大舞台で強さを発揮してきた。今回の和田のアーチでお互いに2球団で“日本シリーズ弾”を放ったことになった。

 その力を買われて中日に入団した「移籍組」。年齢が近いこともあってグラウンド内外で一緒に行動することが多い。「ベンちゃん」「シゲさん」と呼び合い、試合前のアップではいつも横に並び並走する。笑顔でダッシュ競争をする2人の姿は、この日も変わらなかった。結局、本塁打は空砲に終わったが、落合監督は「ベンちゃんが元気だから大丈夫じゃないか」。ベテラン2人が2戦目からの反撃を呼ぶ。【桝井聡】

 [2010年10月31日12時4分

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