<巨人3-0ヤクルト>◇13日◇北九州

 やっぱり頼れる選手会長だ!

 巨人内海哲也投手(28)が、8安打を許しながらもホームは踏ませない粘りの投球を披露した。8回2死で降板し、完投こそ逃したが、堂々の無失点ピッチング。新守護神・山口の救援をあおぎ、チームは無失点勝利。巨人の開幕2連勝は98年以来だった。打線はラミレス、高橋の2者連続本塁打が飛び出し、前日無安打の小笠原にも適時打が出た。投打かみ合う今季の巨人。開幕ダッシュが期待できそうだ。

 チーム思いの内海らしい言葉だった。7回2/3を無失点で今季初勝利。98年以来の開幕2連勝の立役者として選ばれたお立ち台だったが「加藤さんのリード、バックも守ってくれた。僕のおかげじゃなく、みなさんのおかげです」と仲間のサポートを感謝した。孤独に見えるマウンド。内海には仲間との「結束」を表現する舞台だった。

 複雑に入り交じった感情を力に変えた。前日の開幕戦。自身も目指してきたマウンドに立つ東野の姿をホテルのテレビから見つめた。「すごく刺激を受けたし、僕も負けてられないと思った」と弟分が躍動する姿に発奮。「(東野)峻が実力で勝ち取ったんだから」と心は整理していたが、この日上がったマウンドで、兄貴分としての意地をボールで体現した。

 開幕前、感じたことのない不安と重圧に襲われた。6日の阪神との練習試合で4回5失点。「調子は良かったんですけど…。自分がよく分からなくなってきた」。帰りの車中、気持ちを落ち着けようと必死にハンドルを握った。流れるメロディーを大声で口ずさみながら、出した結論は「今年は投手が引っ張ると決めた以上、前に進むしかないなと」。この日、許した安打は8本。走者を許しながらも、「0」を刻み続ける強さを見せた。

 息子との約束も守った。遠征の出発当日、朝6時に起床し、長男瑛太君(3)の保育園へのバス登園を見送った。無邪気に「バイバイ」と手を振る息子に「パパも頑張ってくるから。勝ってくるよ」と胸に誓って手を振り返した。「(息子が)泣くかなと思ったけど、笑っていて。ちょっと寂しい気持ちになったけど、成長したんやなと」。帽子に記した文字は「柱」。チームの柱、投手陣の柱、家族の柱-。内海が1本の強い柱として立つ。【久保賢吾】