<横浜5-4阪神>◇7日◇横浜

 今季初スタメンの横浜内藤雄太外野手(27)が、最下位に低迷するチームに3週間ぶりの連勝をもたらした。2点を追う8回、1死満塁。そこまでの3打席はまったくタイミングが合わず無安打で「代打」も頭をよぎったという。しかし、ネクストサークルでベンチをチラリと見たら、動く気配がない。「最後まで打席に立たせてもらったので、思い切って行こうと思った」。意気に感じた。

 読みもさえた。阪神小林宏がフォークボールの制球に苦しみ、暴投で1点が入った。なおも二、三塁。カウントは3ボール1ストライク。「直球しかない。腹をくくりました」。内角直球の厳しい球を、巻き込むようなスイングで完璧にとらえた。右翼フェンス直撃の二塁打で、同点、そして逆転の走者が生還した。

 内藤の1球にかける集中力が再びチームを救った。チームを8年ぶりの開幕戦勝利へ導いた4月12日のサヨナラ打に続く、値千金の逆転打。尾花監督は「フォークもある場面で、振り遅れることなく真っすぐを打った。彼の良いところが出ましたね。ベンチのムードも良くなった」と、今季初の3連勝へ意欲をのぞかせた。村田から「最初から切羽詰まって行けよ」と冷やかされた内藤は「1打席目から自分の打撃ができるようにしたい」と、頭をかきながらレギュラー定着を誓った。【広瀬雷太】