広島のエース前田健太投手(23)が投手3冠を獲得した昨季のスタイルを封印して復調のきっかけをつかんだ。最近7試合勝ち星に恵まれていないが、10日の西武戦(西武ドーム)では最長の8回を投げ、今季初めて無失点に抑えた。ゆったりしたタイミングに変えて投球感覚を取り戻した。先発が見込まれる16日の楽天戦(マツダ)で「11年版マエケン」を完成させる。
エースが復調のために昨季のスタイルを封印した。マツダスタジアムで練習した前田健は、開幕から苦しんできた投球の復調に、確たる手応えをつかんだことを明かした。
前田健
今が「10」なら開幕のときは「4」くらい。投げていて違和感というのか、ずっと「どうも違うな」というのがあったんですが、そんなイヤな気持ちになることがなくなってきました。
昨季、投手3冠に沢村賞など総なめした。その投球フォームを、継続してシーズンに入った。開幕直後こそ2勝したが、4月26日の阪神戦(マツダ)以来、勝ち星に恵まれない。好投して打線の援護がないこともあったが、前田健自身も毎試合失点していた。ストレートがシュート回転して痛打を浴びるなど、持ち味の制球力が乱れていた。
前田健
昨季のイメージを追いかけていたんですが、なかなかうまくいかない。5月下旬に、それを追うのを止めてみようと思ったんです。
昨季は上げた左足を下ろすとき、打者の方へ倒れ込んでいく感覚だった。それを、いったん止めるようなゆったりしたイメージに変えた。すると、直球をリリースするタイミングが合い始めたという。
「11年版フォーム」。見て分かる違いではない。ほんの少しのタイミングの差で、それまで引っかけていた球や、捕手の構えたミットと全然違うところへ行っていた球がなくなった。それが、10日西武戦での8回無失点につながった。
前田健
これまでのフォームが理想ですが、今はこれで行きます。昨季は気持ちだけで投げていたけど、調子が悪くなったときに修正できるポイントが見つかった。ゼロにも抑えて、試合中に迷うこともなくなったので、結果を求めていきます。
登板が見込まれる16日楽天戦で、完全復活した姿をファンに披露するつもりだ。苦しむチームにとってもエースのトンネル脱出が何よりの薬になる。



