首位独走へ、ヒットマンが帰ってくる。ソフトバンク内川聖一外野手(28)が、今日2日のオリックス戦(京セラドーム大阪)での先発復帰を明言だ。3番DH出場が濃厚で、内川にとっても移籍後初のスタメンDH。右太もも裏肉離れで7月は代打3試合出場に終わったスラッガーが、昨年まで4年連続で8月の月間勝ち越しを逃しているホークス打線に、戻ってくる。

 7月はわずか3打席しか立てなかった内川が、満を持してのスタメン復帰を宣言した。博多から新大阪への新幹線に乗り込む直前。慎重に右太もも裏肉離れからの復帰時期を探ってきたヒットマンが、今日のオリックス戦の出場に自らゴーサインだ。

 内川

 感覚がすごくよくなっている。明日(2日)から出られるんじゃないか、と思っています。正直守備をするまでは、まだ時間がかかると思う。ピリピリするところもあるが、以前より、間違いなくよくなっている。

 7月27日に出場選手登録されて以降、代打で3試合に出た。前日7月31日には、1軍復帰後、初めてシートノックに参加するなど患部は快方に向かっている。守備による負担をかけない方針を首脳陣も固めており、故障再発でこの日抹消されたカブレラに代わり、DH出場が濃厚だ。打順は3番起用とみられる。6月まで打率3割6分超をマークした男が、チームが唯一負け越している(3勝5敗1分け)オリックス戦で本格復帰するとなれば、何よりの打線強化だ。

 内川

 (自分が加入することで打線の厚みが増すと言ってもらうことは)うれしいし、そう言われるうちが華。開幕直後の活躍が出来るかどうか分からないが、何とか応えたい。

 チームにとって頼もしいデータもある。内川は07、08年の2年間は8月の月間打率が4割超。09、10年も打率3割を超えるハイアベレージを記録している。今月4日に29歳の誕生日を迎える、まさに夏男。ホークスは8月に月間勝ち越しをマークしたのは06年シーズンが最後。苦手の夏場に内川復帰は、これ以上ない朗報だ。

 当面は右足に疲労を残さないことを最優先し、オーティズとのDH併用が濃厚。ただ、首脳陣は8月後半に向けた秘策も温めている。秋山監督は「松中レフト、内川ライト、多村センターの可能性もあるだろう」と話すなど、内川を軸とした新シフトも思い描く。内川復帰が、首位独走への原動力になるに違いない。【松井周治】