<広島11-1横浜>◇25日◇マツダスタジアム

 鯉の1番星が歓喜の雄たけびを上げた。新人の福井優也投手(23)がプロ初完投勝利をあげた。横浜打線を6安打1失点に抑え、広島では97年の黒田、沢崎以来のルーキー完投勝利。フォーム修正が実った。これが6勝目で、新人王を争う巨人沢村に並んだ。打線も今季最多17安打11得点で援護。投打がかみ合い、今日26日からの巨人戦に弾みをつけた。

 黒く汚れた右足の土が、勲章だった。福井は、大粒の汗を流しながら、ホッとした表情でプロ初完投勝利を振り返った。

 福井

 疲れました。最近悔しい投球をしていたので、自分ではこれが最後のつもり…下手な投球をしたら、もう(次は)ないという強い気持ちで臨みました。

 横浜打線を相手に、9回を6安打。失点は8回に代打吉村に打たれたソロ本塁打の1点のみに抑えた。球数も108球。これまでは5回で100球を超えることも珍しくなかった福井にとって、初めての快挙でもあった。それは、福井が悩みに悩み抜いた結果、たどりついたフォームが呼び込んだものだった。

 福井には右ひざが折れる悪癖がある。テークバックで右ひざが折れすぎると、球をリリースするタイミングがバラバラになりやすい。結果四球が増え、球数も多くなって打たれていた。それを修正するため、大野、山内両投手コーチに指導を受け、ベテラン豊田に教えを請い、聞いた事をノートに書き付けた。ブルペンで実践し、打者を上から見下ろすような感覚で投げ、最もうまくいくタイミングを探ってきた。

 福井

 (11日の)ヤクルト戦では、右足(のすね)のところに土がついてどろどろだったんですが、今日は終盤疲れてつきましたけど、序盤はつかなかった。折れるタイミングが良かった。

 その副産物もあった。先発陣から離れ、19日、20日には中継ぎ陣と調整。試合中、ブルペンで待機し、中継ぎ陣が出番を待って準備する姿を見た。

 福井

 いつも(早々に降板して)中継ぎの方に迷惑をかけているんだなと感じました。だから最低でも7回、できれば完投をと思っていました。

 先発の責任感を痛切に感じた新人右腕は、結果で成長ぶりを示した。初めて月間2勝をあげて新人王を争う沢村に勝ち星で並んだ。チームの勝利のため、まだまだ勝ち星を積み上げる。【高垣誠】