<西武4-3日本ハム>◇18日◇西武ドーム
西武が、土壇場の逆転クライマックスシリーズ(CS)出場を決めた。1回裏2死二塁から中村に48号2ランが出て先制。1点差に迫られた3回にはフェルナンデスの17号2ランで引き離した。2点リードの9回表には牧田が無死満塁のピンチを迎えるも1失点でしのぎ、勝利を決めた。その34分後、オリックスが敗れて3位が確定した。また試合後に球団は、渡辺久信監督(46)が来季も引き続き指揮を執ると発表した。
アウトの瞬間を見届けた牧田が、ひざに手をついたまま立ち上がれない。抑えとして修羅場をくぐり、渡辺監督をして「心臓が違う」と言わしめたあの牧田が、だ。「死ぬかと思いました。野球人生で一番きつかった」。どれだけタフな試合だったかが、ルーキーのひと言ににじんだ。この時点で3位オリックスはまだ試合中。西武ドームの大型ビジョンで試合を見守り、平日にもかかわらず満員に埋まったスタンドのファンと歓喜の瞬間を分かち合った。
この1年を象徴するかのように、144試合目も苦しかった。2点リードの9回、牧田がいきなりの3連打を浴びて無死満塁。渡辺監督は「寿命が2、3年縮まったと思う」と振り返り、役目を終えたはずだったブルペンでも岸と石井一が肩をつくりはじめていた。最大のヤマ場は1死からの代打糸井。広く空いた右中間へはじき返されたが、秋山がスーパーキャッチで救った。「結果が出ない中、使い続けてもらって、これで1つは返せたかな」。守備で光るものを見せながら、打撃が課題だった。それでも渡辺監督は広い守備範囲を高く買って9月から中堅に固定。交流戦明けから抑えに抜てきして最後まで心中と決め込んだ牧田も含め、若手の我慢強い起用が実を結んだ。
負けたら即シーズン終了の大一番。試合前、渡辺監督は「今日は選手を信じるしかない。今のチーム状態なら絶対やってくれる」と選手に声はかけなかった。選手たちも自然体。1回に先制の足掛かりをつくった栗山は「やったらいけないミスは誰もが散々してきた。もう怖いものはない。開き直っていくしかない」と言い、先制弾の中村も「思い切り緊張していきます。プレッシャーを楽しみたい」と、あえて重圧を受け入れた。土壇場でも西武本来の伸び伸び野球を貫き、1毛差にも満たないデッドヒートを制した。
渡辺監督は試合後の最終戦セレモニーで「我々は去年の悔しさを忘れていません!
絶対に日本一を勝ち取ります!」と誓った。優勝マジック4から逆転されてV逸した昨年、優勝争いに絡めなかった今年。2年分の思いを込めて、下克上を狙う。【亀山泰宏】



