来季もオレ流継続!?

 中日落合博満前監督(57)が22日、選手たちに最後のメッセージを送った。名古屋市内のホテルで退任会見に臨み、来季以降、怠慢プレーを見かけたら直接電話で“お説教”すると予告。一方で、8年間で4度優勝したことへの感謝も口にした。チームは高木守道新監督(70)を迎えるが、オレ流指揮官の影は消えない。

 落合前監督の言葉に、選手たちの顔色が変わった。退任会見に先立って行われた優勝祝賀会。あいさつのため壇上に立つと、いたずらっぽい笑みを浮かべてオレ流節をさく裂させた。

 「私は来年、野球はしていません。でも新聞などで選手たちのことは気にして見ています。『お前ら何してんだよ』って思ったら電話の1本でもかけてやります。そういうことがないようにしてほしい」

 20日、日本シリーズ第7戦で敗れた後には、全員を集めて言ったという。「ぶざまな野球はするな。この8年間が無駄になる」。基本に忠実な「守り勝つ野球」を植え付けてきた指揮官はユニホームを脱いでも選手の隙は見逃さない。オレ流政権が終わっても選手たちは油断はできない。

 一方で退任会見では選手たちへの感謝を口にした。「この8年間で彼らの一番成長する姿を見たのがこの1カ月間。言葉のいらない次元に入った」と、9月22日の退任発表でも動揺せず、快進撃を繰り広げた選手たちを称賛。また主力選手の中でも谷繁、荒木の成長をたたえた。

 「今だから個人名を出しますが、谷繁、荒木というところは変わった。一番変わったのは谷繁かもしれません。FAできた捕手だったけど甘え、妥協は一切許さなかった。彼は将来、指導者になると思いますが、今と変わらずやれば、いい指導者になるでしょう」

 選手の方を向き続けた落合前監督らしい叱咤(しった)激励だった。球団から花束贈呈はなし。退任会見も自ら切り出して始めるなど最後までオレ流らしく締めた。【鈴木忠平】