「年内は雲隠れします」と宣言していた巨人東野峻投手(25)が、沖縄・石垣島で単身武者修行していることが9日、明らかになった。今季は開幕投手を任されながら、前半戦の不調が響き8勝11敗。来季の雪辱をかけ、「隠密トレ」を計画していたが、東京から遠く離れた南国を武者修行の地に選んだ。「練習に集中できる環境でやりたいなと。1人だと甘えや妥協は許されないですし、自分を徹底的に追い込みたかった」と話した。

 徹底的な肉体改造に着手するために、単身での「島ごもり」を決断した。「今年を振り返って、下半身に粘りがなかったなと。ウエートトレーニングも大事ですが、とにかく走り込んで下半身を作り直したいと思った」と言うように、今オフの自主トレのテーマを原点回帰の走り込みに設定した。石垣島は12月でも20度を超える温暖な気候で、トレーニングの場としては最適。下半身に負荷のかかる砂浜ダッシュも可能で、練習メニューもバラエティーに富む。

 4日に現地入りして以降、質、量ともにハードなメニューを消化する。午前7時の散歩から1日がスタート。9時に練習を開始し、陸上競技場でのランニングメニューは100~200メートルなど短、中距離のインターバル走を中心に、計5キロ以上にも及ぶ。走り込み後は約2時間のウエートトレーニング。練習後には筋肉に変わりやすいとされる牛肉を平らげ、効果的にパワーアップを図る。この日は唯一の休養日で竹富島を訪問。今日10日からの最終追い込みに向け、英気を養った。「休んでいる場合じゃないんで。自主トレから勝負は始まっている」。南国の地で、雪辱の礎を築く。【久保賢吾】