「てっぺん取るぞ~!」。DeNA中畑清監督(58)が23日、神奈川・横須賀市の塚山公園内にある山の頂上に登り、富士山に向かって「てっぺん取り」を誓った。山登りで足腰を鍛えた後は室内練習場でノックとティー打撃を行い、キャンプへ向けた「監督自主トレ」も順調に進んでいることをアピールした。

 中畑監督があまりの急勾配に思わず音を上げた。「だれか坂道得意な人いないかあ~?

 柏原~!」。箱根駅伝で「山の神」の異名を持つ東洋大・柏原の名前を叫んだ。新人合同自主トレでは恒例の“山登り”に監督自ら初挑戦した。

 横須賀基地の隣にあるベイスターズ球場から京急安針塚駅を過ぎると、ゆるやかな坂道が続く。その住宅街を過ぎると、突然傾斜がきつくなり歩くスピードもペースダウン。それでも報道陣からの質問や写真撮影には、笑顔でポーズを決めるプロ根性を見せた。

 頂上まで約25分。最後は階段を駆け上がり、標高133メートルの“てっぺん”に到着した。荒い息のまま「近い将来、間違いなくてっぺん取ります!

 取らせます!」と力強く誓った。天気が良ければ見えるという富士山はあいにく雲に隠れていた。「それくらい遠いのかもしれない。でも1歩1歩登っていけば富士山まで行けるんじゃないかな。そのスピードを速くしたい」と、日本一への決意を新たにした。

 監督1年目。気力、体力充実の“絶好調男”の自主トレはこれで終わらない。約35分かけて下山すると、そのまま室内練習場へ。ノックバットを握り、球団広報相手にノックを初公開した。前回9日の自主トレは非公開だったが、この日は右へ左へ12球ノックした。「巨人の打撃コーチの時より成長しているかも。1対1のノックが1時間出来るぞ」と手応えを口にした。

 選手とともに汗を流し、最後は一緒に笑える日を夢見ている。その根幹となるキャンプでは初日からノックを行い直接指導するつもりだ。「選手がいい練習をするためにはいいノックが必要。自分も努力しないとね」と真剣な表情で話した。グラウンドでは筒香、清水、加賀、小林太ら主力選手と初対面。「球音を聞いていい緊張感が出てきた」とやる気をみなぎらせた。【鳥谷越直子】