日本ハム斎藤佑樹投手(23)が30日の西武戦(札幌ドーム)で開幕投手を務めることが19日、正式に決定した。栗山英樹監督(50)が東京都内のホテルで経緯などを説明。関係者によると、前日18日、同監督から直筆の手紙とともに伝えられた斎藤は目から涙をあふれさせたという。

 「2012年

 斎藤で開幕

 頼んだぞ!共にチームのために」。墨汁で丁寧に書かれた一文字一文字が、胸に迫った。栗山監督は2人の間のやりとりについて詳細を語らなかったが「(斎藤の反応は)個人的にうれしかったし、一生忘れられない。どんな結果になっても後悔はしないし、やってくれると信じている」と語気を強めた。

 斎藤は今季、日本代表戦をのぞく実戦5試合すべてで失点した。実績が乏しい中で開幕投手候補に挙げられていることへのプレッシャー。ふがいない自分へのいら立ち。複雑な感情が、手紙を読んだ瞬間、一気にあふれ出たようだ。球団を通じて「経験したことがないほど身の引き締まる思いがしました」とコメントした。

 栗山監督は斎藤を開幕投手に決めた理由について、エース同士の対決を避けるなど戦略上の理由のほかに次のことを強調した。「高校時代からずっと見てきたけど、まだ本当の良さが出てない。追い込むほど力を発揮する。ユウキの潜在能力を引っ張り出すという使命感があった」。大舞台での経験をきっかけに飛躍してほしいとの思いを、2年目の右腕に託した。