<巨人8-4ロッテ>◇11日◇東京ドーム
巨人阿部慎之助捕手(33)の逆転2ランで、交流戦の初優勝へ向けて大きく前進した。先発の杉内俊哉投手(31)が3回4失点で今季最短KOと誤算も、打線が奮起。エドガーの2点適時打、坂本の二ゴロで1点差に迫ると、5回2死二塁から阿部が右中間スタンドへたたき込んだ。4点差の逆転は今季のセ・リーグ球団で初、巨人にとっては昨年に統一球になってから初めてという“大逆転”。ロッテのマジック点灯を阻止し、残り4試合に勝負をかける。
勝負するのか。だったら、来い。阿部が中郷の2球を見て準備に入った。1点を追いかける5回、2死二塁。初球は真ん中の直球を引き付けて逆方向にファウル。2球目は内角への直球。「あんまり内角で勝負してこないから」と、勝負に飢えていた主砲の闘志に火がついた。3球目も内角。見逃すはずがなかった。低めの直球は「体が勝手に反応した。何とか走者をかえそうと。それだけだよ」と、淡々と振り返った一打。逆転2ランをぶち込んだ。
今季チームは3点差以上の逆転勝ちは1度もなかった。この試合まで7連勝中だった先発杉内が序盤に打ち込まれ3回4失点KO。流れは着実に敗戦に向かっていた。だが、主将の心中は極めて冷静だった。中郷に対しては「ボールを投げることは知っていたけど…」と、冗談めかして話したようにデータは皆無。「クイックが速かったから直球できたんじゃないかな」と、相手バッテリーの配球をよんだ。焦らず、じっくりと思考をめぐらせながら打席に立ち獲物を仕留めた。
主将の逆転弾でチームがよみがえった。6回にダメ押しの2ランを放った長野は「あそこで打てるのが阿部さん。さすがですね」と、一緒にお立ち台に立った先輩に続いた。プロ初登板の2番手・田原には死球、安打の後に「攻めの気持ちを忘れてほしくない。戦力になって欲しいから」と、マウンドで猛ゲキを飛ばしたのも阿部。ルーキーを戦力に迎え入れた。
交流戦首位を守り、残すは4試合。セ・リーグ初の快挙がくっきりと見えてきた。主将のアーチを号砲にした逆転劇に原監督は「今日は全員で勝ち取った気がします。今シーズンのベストゲームだと思います!」と大興奮。阿部本人は「優勝、優勝って力入れてもね。意識しないで、いつも通りにやるだけですよ」と、笑った。札幌-仙台のラストスパート。主将が先頭を引っ張っていく。【為田聡史】
▼巨人が0-4から逆転勝ち。統一球になってから大差逆転試合が減り、セ・リーグチームで4点差以上の逆転勝ちは今季初。巨人の4点差以上逆転勝ちは10年9月7日横浜戦(0-4→6-4)以来で、統一球採用後は初めてだ(昨年は3点差が最大)。5回には1点差の場面で阿部が逆転の8号2ラン。巨人の逆転本塁打は今季初めてになる。これで阿部は3号同点→4号先制→5号先制→6号同点→7号先制→8号逆転と、6本連続で肩書付きの殊勲本塁打。セ・リーグで殊勲本塁打6本はバレンティン(ヤクルト)と並び最多となった。



