2年目の和田阪神が情報戦に「野村ID」を持ち込む。従来よりも優れたデータを誇るパソコンの導入を検討していることが10月31日、分かった。新任の山田勝彦バッテリーコーチ(43)が提案。野村克也監督(当時)率いる楽天でコーチを務めたときに駆使したアイテムだった。

 山田コーチは「パ・リーグを含めて全チームの試合を見られるシステムを入れていただければという話をした。(特に役立つのは)捕手かな。紙で見るのと、目で見るのは違う」と説明する。画面上に実際の試合の映像と配球などチャート表も並べられるほか、点差やアウトカウントでの配球傾向など状況別のデータも満載だ。

 野村監督はかつてデータを駆使してヤクルトの黄金期を築いた。その代名詞である「ID野球」を踏襲するもの。同じく楽天でコーチ経験のある関川打撃コーチは「(打撃で)狙い球を絞るのにも使える。相手の研究だけでなく自分たちの打撃も見ないと」と話し、打撃向上にも貢献しそう。中村GMも「分析力の高いものらしい」と評価。情報力、分析力でも「補強」を図る。