<イースタン・リーグ:日本ハム4-3巨人>◇11日◇鎌ケ谷

 プロ2勝目へ、一発“快投”した。日本ハム大谷翔平投手(18)が11日、イースタン・リーグ巨人戦(鎌ケ谷)に先発し、プロ入り最長となる7回109球を投げ、5安打2失点。最速154キロの直球とスライダー、チェンジアップのコンビネーションで、自己最多の13三振を奪った。視察した栗山監督は明言こそ避けたが、体調に問題がなければ、当初の予定通り18日広島戦(マツダ)に先発させる見込み。

 投げるごとに、すごみを増した。3回までに2点を失った大谷が、2段3段とギアを上げた。4回から5回にかけて4者連続三振。6、7回には最速154キロをマークし、自己最多13三振を奪って、堂々とマウンドを降りた。「後半は大事だし、流れも欲しいところだったので、直球主体で押していこうと思いました。今までの(登板の)中ではいい方だと思う」と晴れやかに話し、1軍が待つ北海道へ移動した。

 1回、先頭脇谷の打球を自らがはじいて走者を背負う(記録は投手強襲安打)。1死後には投球動作を一時停止してしまい、プロ入り初のボーク。藤村に右前打を浴びてあっさり先制を許した。3回先頭の河野にも、ほぼ真ん中に投じた初球直球を右翼席まで運ばれた。「1点でいければよかった。ホームランが余計でした。甘く入って打たれた。反省したいです」と立ち上がりを振り返った。

 だが「直球を狙われている」と、バッテリー間で攻め方を修正。右打者へのスライダー、左打者へのチェンジアップを効果的に配し、制球も抜群で、結果的に直球も生きた。4番の大田はすべてスライダーで3打席連続三振。今日12日からの1軍昇格が決まっている坂口からも直球で3三振を奪った。4回以降はわずか1安打に抑え、150キロを超えた5球は、すべて6、7回に集中していた。

 見守った栗山監督は「アクセルを踏んで、そこから球が速くなった。課題としていることをできた球が多かった」と評価しながらも、「(登板後)2日目がしんどそう。そこを見てから考える」と、次回登板が予定されている18日広島戦(マツダ)の先発を明言はしなかった。だが、投球内容自体には合格点。5月28日の広島戦(マツダ)が中止になった際、栗山監督が「5番投手」プランを明言。慎重な指揮官とは対照的に、本人はその気だ。楽しみかと問われると「はい。最近なかったので。塁に出て息が上がることもあると思うので、そこで意識して間合いを長くしていければ。凡退しても、マウンドで抑えれば流れが来ると思うし、気持ちを切り替えてやりたい」と、投打での貢献を誓った。

 今日12日からは本拠地での阪神戦(札幌ドーム)。その後、プロ入り初めて中6日での先発登板を迎える。「(野手で)出場しないときはキャッチボールを長めにやったり、有効に使いたい。工夫していきたいです」と、プロ2勝目を見すえた。【本間翼】