<オリックス3-2楽天>◇28日◇京セラドーム大阪

 “錯覚”が悲劇を招いた。楽天則本昂大投手(22)がプロ初完投勝利を目前で逃した。1点リードの9回2死満塁。代打高橋信への1球目、内角高め150キロの直球で空振りを奪った。「最後は勢いでいこうと。1球目の空振りでいけると思った」。だが、その1球目が落とし穴だった。2球目、151キロ外角直球を右越えにサヨナラ打された。「早とちりというか、おごりというか。結果論だけど(2球目に)変化球なら、違う結果になったかも」と悔やんだ。

 自ら「詰めが甘い」と認めた。8回までは110キロ台のカーブを交え、緩急を駆使。ところが、初めて上がった9回のマウンドは直球主体に変えた。「直球が走っていたので(捕手の)嶋さんと話して直球でいこうと」。8回完投で2敗している。完投勝利が近づき、勝負を急いだ結果が裏目に出た。

 これまでも詰めの甘さが目立つ。13日の広島戦では7回まで1失点で92球。完投ペースだったが、8回の先頭打者に安打を許して19球を要した。結局、8回111球で降板した。「8回が3者凡退なら完投できた。ペース配分ができなかった」と反省した。

 星野監督には「よう投げたけど、よう投げたじゃあかんねん。150キロを出してもライトオーバー。130キロで抑えた方がいい」と厳しく指摘された。ただ、ペース配分で成長があったのも事実。序盤は直球を140キロ台に抑え、7回で初めて150キロ台をマーク。8回終了時で107球と完投の条件はそろっていた。「今日はしっかり反省して、また次頑張ります」。失敗を生かし、次こそ完投勝利を狙う。【斎藤庸裕】