<阪神6-1DeNA>◇24日◇甲子園

 DeNAのクライマックスシリーズ(CS)出場が消滅した。阪神に敗れ、広島が勝ったため8年連続のBクラスが確定。今季が2年契約の最終年となる中畑清監督(59)は、自らの進退をかけた目標を達成出来ず、自らの責任問題について言及。球団サイドとは全日程終了後にも話し合いを行う予定だ。

 試合後の中畑監督は、表情を崩すことなく、潔く現実を受け止めた。「それ(CS進出)に向かって頑張ってきたけど、力及ばず。私を含め、チーム全体の力が及ばなかった。私の中で決意を持って臨んだシーズン。やるべきことをやってきた。最後まで責任を全うして、その後は考えられない。来年のことは考えていない」と話した。報道陣から来季続投への意思を問われると、「今の中では全く逆。責任をとらなきゃいけないと考えている」と、CS進出の公約を果たせなかった責任を負った。

 就任1年目となった昨季、本拠地最終戦後のセレモニーで、今季のCS進出をファンに約束。「来年はファンのみなさんとCSを戦います。それができなければ私はクビです」と、今季への覚悟を口にしていた。しかし現実は厳しく、8年連続Bクラスという現実が突きつけられた。そのけじめとして「去年の最後にそういう話をしている私の決意は変わっていない」と、辞任も示唆した。

 今季はブランコ、モーガンの助っ人の加入で厚みを増した打線で、打ち勝つ野球を掲げて戦ってきた。得点数はリーグトップの591。7点差から3度逆転勝ちするなど、「あきらめない野球」を実践。昨季はすでに最下位に沈んでいた8月1日の時点で3位とチーム力は確かにアップ。CS争いに加わってきた。しかし、ここ数年の課題とされていた先発陣を含めた投手力は改善されず。チーム防御率4・59はリーグワーストと、その後の失速に大きく響いた。

 ただ、この日先制アーチを放った梶谷を筆頭に若手も成長。先発陣さえ整備されれば、来季を戦える手応えも感じている。中畑監督はこれまで「去年はチームを立て直そう、注目されるチームにしようという思いで、まずやってきた。でも今年はそれではダメ。結果を出さないといけない」と話していた。Bクラスが確定した試合後は、「(自分の)心の中の決意と残った試合は全く別。8試合全力で戦っていくだけ」と力を込めた。今後は全日程終了後をメドに、球団側との話し合いが持たれるとみられる。【佐竹実】