<オープン戦:DeNA4-2楽天>◇19日◇横浜

 ついに開幕投手の最有力候補に躍り出た。楽天のドラフト1位松井裕樹投手(18=桐光学園)が19日、DeNA戦に先発し、4回4安打2失点、5奪三振と好投。オープン戦の連続無失点は13回で途切れたが、乱れた2回以外は抜群の安定感だった。これでオープン戦4試合すべてで結果を残し、あとは最終結論を待つのみだ。明日21日の中日戦に先発する則本の結果次第では、58年ぶりの高卒新人開幕投手となりそうだ。

 松井裕は試合中に成長した。2回、3球でDeNAの4番ブランコを追い込む。だが「投げる球が決まっていなかった」と迷った。不安なまま投げた128キロのスライダーは真ん中へ甘く入り、左前打を浴びた。そこから四球と連打を浴びるなど2失点。「ボールが高かった」と顔をしかめつつ、打者7人で何とか切り抜けた。

 だが、3回にマウンドに戻ると闘争心をむき出しにした。再び打席に立ったブランコに初球から5球連続の直球勝負を挑んだ。カウント2-2からの7球目。内角へのチェンジアップで空振り三振に仕留めると、大きく胸を張るようにベンチへと走り出した。同じ相手に失敗は繰り返さない。「うまく空振りしてくれた。自分のボールをしっかりコントロール出来れば、勝負になる」と自信を深めた。

 真っ向勝負は星野監督の指示だった。「ブランコに、どこまで飛ばされるか投げてこい、と言ったんだ。ファウル、ファウルにされていたけどコースはよかった」と目を細める。試合中に見せた高い修正能力。打者に向かっていく気持ちと、投げっぷりの良さ。それらすべてが、星野監督の目に留まった。注目される開幕投手争いの現状を、ワクワク顔でこう評した。

 星野監督

 松井で開幕なら楽しいじゃないか。1年を考えた時にな。則本で開幕もいい。まあ、まだ時間はあるよ。

 これまで開幕投手候補は則本、美馬、松井裕の三つどもえだったが、「則本VS松井裕」に絞られた。そんな中、松井裕は4試合で16回を投げ、わずか2失点の防御率1・13と結果を出した。一足先にオープン戦最終登板を終え、1歩リードした格好だ。

 対する則本は、21日の中日戦に先発予定。前回15日ヤクルト戦で5回6失点と打ち込まれたが、昨季15勝の実力は抜きんでている。きっちり修正してくれば、2年連続開幕投手となる可能性は十分にある。

 ただ、若い松井裕の勢いは止まらない。高校時代に慣れ親しんだ横浜スタジアムで、初回に3者連続三振を奪う圧巻の立ち上がりを見せた。自己最速を1キロ更新する球速150キロもマークした。「(スピードガンの設定が)緩いからです」と笑ったが、大役抜てきとなっても応えられるだけの力はある。【島根純】