<日本ハム6-2広島>◇4日◇札幌ドーム

 大谷に負けじと衝撃打!?

 日本ハム中田翔内野手(25)が、札幌ドームの天井直撃打でファンの度肝を抜いた。7回の第4打席ですくい上げた打球は天井に当たり、球場ルールでインプレーとなり中飛に終わったが、規格外のパワーを披露。集中打で逆転した5回には、広島前田から5点目となる適時打を放ち、対広島7連勝に貢献した。

 規格破りは、大谷だけじゃない。中田が超ド級のワンシーンを見せつけた。7回。捉えた直球141キロは一直線に上昇。打球は三塁ベース真上付近の天井パネルを揺らした。打球を見上げながら二塁へ向かったが、落下球は中堅手が捕球し記録は中飛。破格のパワーに観衆は沸き上がった。

 盛り上がった二の腕は本物だ。実は“怪プレー”は2度目。11年5月の巨人との交流戦でも打球が天井直撃しフェアゾーンに落下。日本人では史上初の「天井二塁打」となっていた。札幌ドームの規則では外野後方の照明から3枚分の天井パネルまでは本塁打に認定。それ以外はインプレーとなる。柏原打撃コーチは「打ち方が悪いからや。ちゃんと打てば左中間席に入る」と笑った。

 仕事も果たした。5回には広島の先発前田の初球146キロを、左前適時打で貴重な追加点を奪った。前田は「カープ女子」とともに中田にとっても心躍る相手。昨季は1度の対戦で本塁打を放っていた。「やっぱり変化球のキレもすごかった。正直、2打席目の四球にホッとしたもん」。茶目っ気たっぷりに話したが、適時打で再び嫌な印象を与えた。

 広島出身の元祖「カープ男子」の名に懸けて、存分に存在感を発揮した。広島2連戦は8打数4安打6打点。19試合ぶりのアーチを架けるなど暴れ回った。不振を抜け出す兆しにもなった。この日は大谷が160キロをマーク。「すごいよね」。広島戦は、いくつになっても心くすぐる何かがある。【田中彩友美】

 ◆札幌ドームの天井直撃打

 01年7月15日に西武カブレラが天井直撃の二塁打を放ったのが最初。日本ハム時代のセギノール、スレッジも直撃させている。日本ハム中田は11年5月20日巨人戦で「天井二塁打」を記録。札幌ドームのグラウンドルールは、外野後方にある照明から3枚分までの天井パネルまでに当てれば「認定本塁打」、それ以外はインプレー。