還暦おじさんは諦めない!

 DeNA中畑清監督(61)が6日、沖縄・宜野湾キャンプ訪問中の松井秀喜氏(40)と勝負した。打者・中畑監督が、投手・松井氏に勝てば、今日7日の練習で松井氏がフリー打撃を行うという賭けだった。結果は松井氏の勝利だったものの、中畑監督は平然とファンにフリー実践を予告してしまった。1軍の休養日で観客は200人ほどだったが、豪華すぎて、おもしろすぎる勝負だった。さて、今日のフリー打撃は実現するのか?

 最初はスタンドインが条件だった。中畑監督が、投手・松井氏から本塁打を放てば、今日7日の練習で松井氏がフリー打撃を行うルールだった。松井氏ははっきりと「ボクからホームランを打ったら明日やりましょう」と宣言。中畑監督もアップの段階では「スタンドに行くぞ!

 いいね。いいよ!」と肩に力が入っていた。

 ところが勝負が始まる直前にルールが変わった。中畑監督が「ワンバウンドで(外野)フェンスに当てれば、明日ゴジがフリーを披露する。無条件でな。おそらく無理。でも、俺はトライする」。言葉は威勢がいいが、ちゃっかりと条件の下方修正をして勝負に臨んだ。かねてフリー実演を希望するも、松井氏が「体を痛めてしまう」と断った。翻意させるため、現役時代に通算171本塁打を放った打撃で勝負を挑んだ。

 初球は見送り、2球目はバットの先に当たり、中畑監督の手のひらに激痛が走った。凡打を重ねて迎えた7球目は角度は良かったが打球は伸びず。自ら「ラスト」と宣言した14球目。こん身の一振りも、左翼フェンス10メートル手前で落ち、バウンドを重ねコロコロと何とかフェンスに到達した。「これがいっぱい、いっぱいでした」と予想通り?

 の完敗。ルール通りならば、松井氏のフリー打撃は消滅だった。

 ただ、中畑監督はこの程度で諦める男ではない。三塁側ベンチ前で行った会見の途中、テレビカメラに向かい、スタンドのファンにも聞こえる声で「明日ランチタイムでゴジは打ちますので、ぜひファンのみなさん、来てください!待ってまーす!

 ハーイ、オッケー!

 もう宣言しちゃったもんね。決定ー!」と、勝手に宣言してしまった。松井氏は最後まで首を縦に振らなかったが、今回のキャンプ視察も中畑監督の強引さが実現させた。さあ、松井氏は打席に立つのか、立たないのか。視察最終日となる今日7日も、この2人から目を離せない。【為田聡史】<松井氏VS中畑監督

 全球リプレー>◆1球目

 見送り

 ◆2球目

 バットの先で左飛

 松井氏「もうちょっと速いほうがいい?」◆3球目

 三ゴロ◆4球目

 見送り◆5球目

 三ゴロ◆6球目

 いい当たりで中飛

 松井氏「おっ」◆7球目

 フェンス15メートル前へ左飛

 松井氏「あっ」

 中畑監督「惜しい!」◆8球目

 三ゴロ

 中畑監督「あ~、くそっ」◆9球目

 三邪飛

 中畑監督「あ~、きついね…」

 ここでバットを交換◆10球目

 遊飛◆11球目

 完全なボール球を見送り

 松井氏「あ~、ゴメン!」◆12球目

 三ゴロ

 中畑監督「ラストツー!」◆13球目

 ケージネットに当たるファウル◆14球目

 フェンス約10メートル手前への左飛

 中畑監督「これがいっぱいいっぱいでした!

 あ~ざっした!」

 松井氏

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