東京6大学野球リーグの東大が特別コーチとしてプロ野球巨人などで活躍した桑田真澄氏(44)を招聘(しょうへい)することが8日、分かった。プロ経験者がアマチュア野球の指導者になるには一定の条件を満たす必要があるが、この日、東京6大学連盟に申請し、受理された。初練習は今月20日の予定で、月に1、2度指導を受ける見通し。10年秋から続いている46連敗のストップへ、巨人の背番号18を背負った右腕の技術を吸収する。

 46連敗中の赤門軍団に、これ以上ない強力助っ人が加わる。元プロ選手の特別コーチ就任には、退団後2年以上経過するなどの条件があるが、東大がこの日、所属先の東京6大学連盟に書面で申請し、受理された。桑田氏は20日に練習参加する予定。これまで会長を務めるボーイズリーグ麻生ジャイアンツなどへの指導経験はあるが、高校生以上は初。かねて指導者に意欲を見せていた同氏と、連敗脱出を狙う秀才軍団の思惑が合致した。

 東京6大学リーグで苦戦続きの東大は昨秋も最下位に沈み、OBの浜田一志監督(48)が就任し、チーム再建を図っている。既に10年から元中日の谷沢健一氏、昨年から元西武の今久留主成幸氏に同様の特別コーチとして指導を受けている。桑田氏にとって今久留主氏はPL学園(大阪)時代の同学年でバッテリーを組んだ間柄で、今回のコーチ就任の後押しとなった。浜田監督は「桑田さんはインパクトもあるし、選手のモチベーションが上がるでしょう。有名だからお願いした訳ではなくて、中学生とかを教えていらっしゃるということで、レベルに合わせた指導経験がある」と期待した。

 30季連続最下位の東大にとって、浮上のカギは投手陣が握っている。1分け10敗に終わった昨秋は、リーグワーストの計77四死球を出し自滅するケースが目立った。浜田監督は「投手陣が課題のコントロールを身につけてほしいと思った。昨年の秋はフォアボールが多かったので。基本はみんな一緒ですから。春のリーグ戦で連敗ストップを目指します」と、プロの技術を吸収したい考えだ。1月以降、月に1、2度のペースで指導を受けることになる。

 桑田氏はPL学園時代に清原和博氏とともに甲子園を沸かせ、86年にドラフト1位で巨人に入団。07年には米大リーグのパイレーツでもプレーし、08年に引退を表明した。元中日の慶大・江藤省三監督(70)らとは違い、特別コーチはリーグ戦でのベンチ入りはできないが、理論派で知られる桑田氏の教えは、東大投手陣にとってはこれ以上ない金言になるはずだ。

 東大は14日から全体練習をスタートする。2月25日から3月11日まで予定する福岡キャンプに桑田氏が同行するかは未定だが、リーグ戦開幕までに定期的に指導を受ける。苦戦続きの秀才軍団にとって、大きな力になることは間違いない。

 ◆桑田真澄(くわた・ますみ)1968年(昭43)4月1日、大阪府生まれ。PL学園では1年夏から甲子園に5季連続出場し、優勝2度、準優勝2度で春夏通算20勝。85年ドラフト1位で巨人入団。日本通算173勝141敗14セーブ、防御率3・55。最優秀防御率2度(87、02年)最多奪三振1度(94年)。94年セ・リーグMVP、87年沢村賞。巨人を退団し、07年から現役引退する08年3月までパイレーツでプレー(0勝1敗、防御率9・43)。10年に早大大学院スポーツ科学研究科を首席で修了した。174センチ、80キロ、右投げ右打ち。

 ◆東大野球部

 1919年(大8)創部。25年に東京5大学野球に加盟して東京6大学野球連盟が誕生した。46年春の2位が最高成績で唯一優勝がない。99年には竹本恵が入部して、6大学史上初の日本人女性選手誕生として注目された。主なOBには脇村春夫氏(前日本高野連会長)藤井裕久氏(元財務相)大越健介氏(NHKキャスター)ら。プロ入り選手は新治伸治(故人=大洋)を第1号に松家卓弘(前日本ハム)ら5人いる。グラウンドは人工芝で東京・文京区の農学部の最北端にある。通算成績は244勝1520敗55分け。