プロ野球のドラフト会議は29日、東京都内のホテルで行われ、米大リーグ挑戦を封印して国内の球団入りを表明していた左腕、菊池雄星投手(岩手・花巻東高)は6球団が1位指名で競合し、西武が交渉権を獲得した。

 菊池の指名重複は、1989年の野茂英雄投手と90年の小池秀郎投手の史上最多8球団を上回る可能性もあったが、西武のほか日本ハム、中日、楽天、ヤクルト、阪神の指名にとどまった。菊池以外に競合した選手はいなかった。

 巨人入りを熱望して過去に2度他球団から指名されながら入団を拒否した長野久義外野手(ホンダ)は巨人が1位指名。広島は今春の選抜高校大会で優勝した長崎・清峰高の今村猛投手を1位で、今夏の全国高校選手権大会を制した愛知・中京大中京高のエースだった堂林翔太を内野手で2位指名した。横浜は高校通算69本塁打の筒香嘉智内野手(神奈川・横浜高)を1位指名した。

 巨人は2位で鬼屋敷正人捕手(三重・近大高専)を指名し、高等専門学校から初のドラフト指名選手が誕生した。