何度もバンザイさせてくれ！

　中日にドラフト２位で指名された九産大・浜田智博投手（２２）が２日、「バンザイ投法」のネーミングを“公認”。変則フォームにこだわりを持ってプロの世界で勝負することを誓った。この日は、ナゴヤ市内でＣＢＣテレビ「サンデードラゴンズ」に、同じく４位、６位で指名されたＪＸ－ＥＮＥＯＳコンビ、石川駿内野手（２４）井領雅貴外野手（２４）と生出演した。

　浜田智がバンザイすれば竜党もバンザイ！

　ウルフルズならぬドラゴンズのファンに「君に会えてよかった…」と思わせるのがルーキー左腕の願いだ。

　「バンザイはいいことがあった時にしかしないので、いいですよね。いいネーミングです。友達に『カニみたい』と言われたこともありますが…。大学でも結果を残せたので、このフォームで勝負します」

　右足を上げて、踏み出す前にもう１度グラブをクイッと上げ、両手を上げたような状態を作ってからリリースに移る。中学時代に思いつきで始めたところ制球力が上向き、力も入った。矯正されることなく、改良を重ねて進化してきた。打者を幻惑する効果もある。活躍を続ければバンザイ投法の名も広まるだろう。

　フォームにばかり話題がいくが、今ドラフトでも屈指の実力派。宮崎工３年春のセンバツでは、完封を含む２試合で失点１の成績を残した。九産大では今春の全日本選手権で同大を１５年ぶりの８強に導き、大学日本代表にも選ばれた。

　浜田智を支えてきたのがフォームにも表れる「自分らしさ」だ。宮崎育ちのイントネーションもその１つ。「（福岡で過ごした）大学４年間で直らなかった。自分では何とも思わないんですが、あとで（ビデオなどで）聞くとちょっと変かなあと。でもこれはこれで、いいです」。少し気が早いが、お立ち台では「勝ったっちゃわ～」（勝ったぞ～）の雄たけびを響かせてくれるかもしれない。

　「小学校からずっと先発だった。そこが一番いいけど、任されたところでチームに貢献できればいいですね」。中日の先発陣は今季２ケタ勝利の山井、大野以外は混沌（こんとん）。ルーキーにも食い込む余地は十分ある。バンザイ投法は名古屋城の「しゃちほこ」の形状にも通じる。ドラ２左腕も名古屋のシンボルになれるか。【柏原誠】

　◆浜田智博（はまだ・ともひろ）１９９２年（平４）１０月１日、宮崎市生まれ。４歳から宮崎玉竜スポーツ少年団で軟式野球を始める。宮崎工で３年春にセンバツ出場。１回戦（対前橋工）で２安打完封。２回戦は広陵の有原（日本ハム１位）と投げ合い、０－１のサヨナラ負け。九産大では３年春の九工大戦で無安打無得点試合を達成。４年春に全日本大学選手権８強。１４日からの明治神宮大会にも出場する。大学通算２４勝８敗。１８３センチ、７５キロ。左投げ左打ち。