主力が行った10日の楽天契約更改会見は、異例の展開となった。9日に横浜への金銭トレードが決まった渡辺直人内野手(30)との別れを悲しむ男泣きが続いた。野手の鉄平外野手(27)、草野大輔内野手(34)、嶋基宏捕手(25)は、ともに渡辺と交流が深く全幅の信頼を置いていた。自らの会見を傍らに、隠さず胸中を語った。

 鉄平

 自分の話はいい。直人さんの話をする気しかなかった。こういう世界と分かっていますが、説明してほしかった。直人さんが入団してきて、僕の態度を見て『なんだコイツは』と思ったそうです。それではダメだ、から始まった。周りの人に支えてもらって今の自分がいる。感謝の気持ちは野球につながる、と教わった。師匠と呼んでいました。

 草野

 「頑張れ」という言葉だけ。「頑張れ」だけで十分だろう、アイツは…。チームにとってもちろん痛いが、選手は…。

 嶋

 同期で…。いろいろ僕が悩んでいるとき声を掛けてくれたり…。スッキリした顔でロッカーを片付けていました。直人さんの気持ちを引き継いでいけたらと思う。来年に向けて最高の準備をします。

 渡辺からもらったたくさんの恩。来年、一丸で勝つことで返す。【宮下敬至】