中日森野将彦内野手(32)が27日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6500万円増の2億2500万円(金額は推定)で更改した。年俸変動制5年契約の3年目。野手の生え抜きでは来季、チーム最高俸となった。

 約40分間の契約更改交渉で、金額についての話はわずか10分ほどで終わった。6500万円増の2億2500万円。来季15年目を迎える森野が、初めて年俸2億円の大台に到達した。しかも、野手の生え抜きではチーム最高俸。興奮を抑えるように会見場に現れ、感慨深げに話した。

 「プロに入った時は1億円プレーヤーになりたいと思っていたけど、その倍ですから。まさか自分がここまでなれるとは思わなかった」

 球団に納得させるだけの数字は残した。今季は昨季に続いて2年連続で全144試合に出場し、自己最高の179安打と打率3割2分7厘をマーク。4年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献し、自身初のベストナインを獲得。和田とともにポイントゲッターとして、シーズンを通してチームを支えた。

 チームの顔としての働きも、2億円突破の要因となった。今季は選手会長としてファンサービスに尽力。ナゴヤドームにファン・サービスの内容を募集する「目安箱」を設置し、実行に移した。今原球団代表補佐も「彼のおかげで他の選手も触発された」とその働きを認めた。

 「来年が大事だと思っている。今年以上の数字は残したい。打率は3割を楽に超えないといけないだろうし、打点は100にいかないと。ホームランだって30本は打ちたい」

 視線は早くも来季へと向いている。1月上旬には恒例の海外自主トレを行う予定。名実どもにチームの「顔」となった森野が、来季もチームをけん引する。【桝井聡】