<WBC:オランダ5-0韓国>◇2日◇1次ラウンドB組◇台湾

 日本の永遠のライバル韓国が、B組でいきなり敗退危機に立たされた。初戦でオランダと対戦し、打線が4安打と振るわずに完封負け。守備も4失策と自滅し、前回の準優勝国がまさかの黒星スタートに沈んだ。

 「史上最低の試合の1つを見せてしまった」。柳仲逸監督の言葉が完敗の重みを物語っていた。代表始動から元気のない打撃陣は、この試合も目を覆いたくなるような貧打ぶり。得点圏に走者を置いたのは4、7回の2度だけで、4回1死一、二塁ではオリックス李大浩が右飛。7回2死一、三塁では元巨人の李承■(サムスン)が代打も二邪飛に倒れた。投手陣もズルズル失点を重ね、正捕手の姜◆鎬(ロッテ)は7回に負傷退場した。

 WBC全出場国で通算勝率はトップ(12勝4敗)を誇っており、日本以外に敗れるのは初の屈辱だった。現代表は昨年11月のメンバー発表後から受難続き。ケガなどで主力6人が出場を辞退するなど、大幅な戦力ダウンを強いられた。直前の台湾合宿では実戦6試合で奪った平均得点が2点強。今季から韓国プロ野球に新加入するNCに2勝2敗、台湾アマ選抜にすら1敗1分けと苦しみ、およそ代表らしからぬ覇気のなさを心配された。

 前日に「まだベストの状態でない」と話していた李大浩は体調面の不安が的中し、4番に座るも3打数無安打。もう1つの難敵である地元・台湾との試合を残しながら、1敗も許されない窮地に追い込まれた。※■は火ヘンに華、◆は王ヘンに民