WBA・IBF世界スーパーバンタム級王座統一戦が27日に英マンチェスターで行われ、IBF王者フランプトンが2-1の判定でWBA王者クイッグを破り統一王者となった。この一戦を誰よりも注目していたのが、IBF同級1位和気慎吾(28=古口)だろう。

 昨年6月にIBF次期挑戦者決定戦に勝利。年内の世界挑戦を目指してきたが、王者側がクイッグとの統一戦を優先したため「待ち」の状況となっていた。2本のベルトを手にしたフランプトンはWBAからリゴンドー、IBFから和気戦を義務づけられており、どちらかの王座を返上する可能性が高い。ドローや、負傷による戦線離脱を懸念していた和気側としては、フランプトン挑戦を目指しつつ、返上すれば王座決定戦でタイトルを狙う形と、方向性が明確になった。

 リーゼントボクサーとして人気の和気も、ここ数年は苦しい立場に置かれていた。一昨年末、保持していた東洋王座の防衛戦が決まっている中で、WBA・WBO統一王者(当時)リゴンドーとの世界戦の話が浮上。結果的に、古口会長への筋を通さず、自らの判断でリゴンドー戦を回避したことで話がこじれた。高校時代に直接スカウトされ、手塩にかけて育ててくれた会長との信頼関係は崩れ、一時は引退の危機にまで追い込まれた。

 さらに、「代役」でリゴンドーと対戦した天笠が無敗の王者から2度のダウンを奪うなど善戦したことも手伝い、「リゴンドーから逃げた」とやゆされたこともあった。昨年2月、会長との話し合いの末にジムワークを再開すると「いま思えば、まだあの舞台に立てる人間ではなかったということです-」。反省と後悔を心の中に押し込み、師匠の持つミットに懸命にパンチを打ち込む姿が印象的だった。地元岡山から上京したのが、2006年2月20日。デビューから10年の節目に、夢をかなえられるか。【奥山将志】