前WBO世界同級王者で挑戦者の亀田和毅(24)が王座奪取に失敗した。5月に対戦し、僅差判定負けを喫した王者ジェイミー・マクドネル(英国)との再戦。中盤以降、手数で劣勢に回ると最終回には右ストレートでダウンを奪われ、0-3の判定で敗れた。

 「キャリアの中で最も重要な試合」と決意を持って上がったリングで、亀田和は再び屈辱を味わった。序盤は「あまりくっつかず、距離を取る」という作戦通り、スピードを生かしたジャブを上下に打ち分けてけん制。2回にはワンツーからの返しの左フックや、アッパーを打ち込むなど、順調な立ち上がりだった。

 だが、決定打を奪えずに迎えた中盤以降は、約15センチリーチで上回る王者のジャブに苦しみ、攻め手を欠いた。最終12回には右ストレートを後頭部に受けた際に足を滑らせ、ダウン。5月の対戦時はジャッジ全員が1ポイント差とする接戦も、今回は最大で7ポイントの差がつく完敗だった。「負けたら悔しいし、前回よりも勝ったと思ったけど、結果は出たからとやかく言うことはない」。さばさばと振り返る姿に、悔しさがにじみ出た。

 日本ボクシングコミッションからの亀田ジム会長らへの処分により、国内で試合ができない状況は続く。3兄弟でいち早く米国に戦いの場を移し、14年7月にはラスベガスで防衛を果たすなど、苦境の亀田家を引っ張ってきた。世界戦連敗の意味は小さくないが、戦いは終わりではない。試合後には「自分のボクシング人生は続く。強くなるために頑張る」としっかりと前を見据えた。