王者の井岡一翔(26=井岡)が、日本歴代6位に並ぶ世界戦10勝目を挙げた。

 挑戦者の同級10位、強打のロベルト・ドミンゴ・ソーサ(30=アルゼンチン)に3-0(119-109、119-109、120-108)の大差の判定で初防衛に成功した。

 井岡は「KOをお見せしたかったけど、勝ったことがよかった」と勝利を喜んだ。世界戦3階級でのKO勝利は持ち越しとなった。

 今後は、年末に前王者レベコとの再戦も含めた防衛戦、来春には他団体王者との統一戦も視野に入れる。

 戦績は井岡が19戦18勝(10KO)1敗、ソーサは30戦26勝(14KO)3敗1分け。

 1R 両者、静かな立ち上がり。井岡の左ボディーブロー、右のカウンターなどヒットするも連打にはならず

 2R 前進して圧力をかけるソーサ、井岡は左右の動きでいなす。2分過ぎ左ジャブから流れをつくる井岡だが、ソーサも反撃、簡単には下がらない

 3R 上下に打ち分ける井岡、ソーサのパンチは距離をとってさける

 4R 井岡の右ストレートがソーサのアゴをとらえるが決定打にはならず、ボディの連打でソーサの体が曲がる 

 5R 井岡は相手のパンチをよく見てカウンター。井岡の左ボディー、アッパー、右ボディーとコンビネーションが決まる

 6R 井岡、スウェー、ダッキングで相手のパンチをさけるが、ソーサは強打を打ち続け前に出てくる

 7R リング中央で打ち合う両者、決定打は出ない。少し疲れも見える

 8R 的確なパンチを放つ井岡だが、手数が減ってきた 

 9R 井岡のボディー攻撃を嫌がるソーサだが、圧力はゆるめない

 10R 起死回生のパンチを狙い前に出るソーサ、井岡はロープ際まで押し込まれる

 11R 井岡も負けずと前に出る、ボディーからのショートアッパーなど攻めるが、ソーサも強いパンチで応戦

 12R 1発を狙うソーサ、井岡もボディーから勝機をうかがうが、ゴング、判定に。

 判定 ジャッジ3-0(119-109、119-109、120-108)

 ◆井岡一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日、大阪・堺市生まれ。元世界2階級王者井岡弘樹氏のおい。大阪・興国高では史上3人目の高校6冠に。08年に東農大を中退してプロ転向。7戦目で世界王座獲得し、当時の国内最速記録を樹立。12年6月には、WBA&WBCミニマム級王座を統一し、日本人初の2団体王者となる。同12月にはWBA世界ライトフライ級王座を獲得し2階級制覇。今年4月に同フライ級王座も獲得し、世界最速18戦目で3階級制覇を達成。165センチの右ボクサーファイター。得意パンチは左フック。家族は両親と弟2人。