同級1位の挑戦者・尾川堅一(27=帝拳)が5回負傷判定で勝利し、新王者となった。13戦無敗で4度目の防衛を目指した王者・内藤律樹(23=E&Jカシアス)と対戦。

 試合開始のゴングと同時に一気に攻め込むと、初回終了間際に強烈な右ストレートでダウンを奪った。5回に偶然のバッティングで内藤が右眉から大流血。続行不可能と判断され、3-0の判定で勝利した。

 ベルトを手にすると「頭を振って、距離をつぶす作戦通りに出来た。自分の強さで相手のうまさをつぶせると思って戦った。相手は相当効いていたし、負傷判定だが、自分としては満足している。チャンピオンになれてすごくうれしい。世界に1歩近づけた」と喜びを爆発させた。

 拳法部の主将を務めた明大卒業後にプロデビューし、全日本新人王を獲得した強打者。幼少期から日本拳法の手ほどきをしてくれた父雅一さん(53)が10月16日に病死した。遺影を持って会見に臨むと「力をもらった。帰ってしっかり報告したい」と話した。尾川は戦績を17勝(14KO)1敗とした。プロ初黒星の内藤は13勝(5KO)1敗となった。