WBC世界バンタム級王者山中慎介(33=帝拳)は11度目の防衛へ自信を見せた。14日は大阪市内で調印式が行われた。

 調印書にサインし終えた山中は、WBC立会人の前に置かれた、赤、青、白の3色で構成されたベルトに視線を送った。「格好良い…」。“バンタム級最強決定戦”と評されるモレノとの1年ぶりの再戦には、米国で最も権威ある専門誌「リングマガジン」の認定ベルトがかけられた。日本人では過去に、白井義男氏、ファイティング原田氏らも手にした伝統の品で、試合を前に披露された。山中は「良いですね。新鮮だし、ベルトを見て気合が入った。絶対に持ち帰ります」とモチベーションに変えた。

 調印式に7分遅刻してきたモレノに対しても「気にはならない。そういうのにも慣れている」と王者らしく自然体でかわす余裕を見せた。V9戦はモレノの鉄壁のディフェンスに苦しめられ、僅差の判定勝ち。完全決着を誓う一戦に「KOのチャンスが来れば、強引にでも狙っていくつもり」と言葉に力を込めた。

 大阪での試合は、3戦全勝(3KO)と抜群の相性を誇る。「これまでのキャリアで最高の状態に仕上げられた」と山中。得意の左で国内歴代2位タイのV11を果たす。【奥山将志】