厚生労働省東京労働局の男性職員が長年にわたって、上司の許可を得ずにプロボクシングの審判員を務めていた疑いがあることが23日、日本ボクシングコミッション(JBC)関係者の話で明らかになった。兼業が原則禁止の国家公務員法に触れる可能性があり、厚労省が調査している。

 複数のJBC関係者や内部資料によると、この男性職員は1996年12月に審判員ライセンスを取得。本名と違う「山田一公」を名乗り、今年も日本タイトル戦などでレフェリーやジャッジを務めたが、今月17日付で辞職届を出した。また、ここ数日の間に、JBCが管理する当該男性の個人データが大幅に書き換えられ、履歴書などが紛失したという。

 厚労省によると、東京労働局で労働基準監督官を務める45歳の男性職員と、この審判員が同一人物かどうか確認中で「兼業の許可が出ていれば、業務に支障がない範囲であれば問題ない。事実関係を確認して、違反があれば厳正に対処しないといけない」としている。