<プロボクシング:WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦>◇31日◇東京・日本武道館

 WBA世界スーパーフライ級7位清水智信(30=金子)が、王者ウーゴ・カサレス(33=メキシコ)を2-1の判定で破り、3度目の世界挑戦で新王者に就いた。

 清水は序盤から持ち味のスピードを生かして、積極的に前へ出てカサレスにプレッシャーをかけ続けた。6回には相手の強烈な連打を浴びて劣勢に立たされたが、8回に左ジャブからの5連打をヒットさせるなど攻勢に出て、試合の主導権を握った。終盤もガードで相手の強打をしのぎつつ、冷静にパンチを当てて判定勝ちをつかんだ。

 清水は「ベルトを巻いて、やっと夢がかなったという気持ちになった。1ラウンド、1ラウンド、集中してやれた。相手のパンチは重く、打たれたところもあったけれど、自分の距離で戦えた。今までの自分だったらのまれていた」と激戦を振り返った。

 7月末に、当初対戦予定だったWBA世界フライ級王者エルナン・マルケスが、故障を理由に出場を辞退。清水は急きょ、階級を1つ上げ、今回がスーパーフライ級初戦だった。王者・内藤大助を相手に優勢に戦いながら、逆転KO負けで王座奪取に失敗してから3年。清水のトレーナーを務めた金子ジムの金子賢司代表は「ようやく、3年前の悪夢から覚めることができた。清水が、精神的な成長を証明してくれた」と涙ぐんだ。