<プロボクシング:IBF世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇7日◇大阪・ボディメーカーコロシアム

 同級8位井岡一翔(25=井岡)の3階級制覇はならなかった。アマチュア時代に敗れている王者アムナト・ルエンロン(34=タイ)に1-2の判定で敗れたことについて「終わった時は2ポイント、勝ったかなと思った」と話した。

 立ち上がりの2ラウンド(R)こそ、アムナトの強引な左フック、左アッパーが目立ったことを「様子見のつもりもあって、強引にいかなかった」と説明。逆に3R以降は積極的に距離を詰め、左ジャブとボディーなど手数で上回った。接近戦をいやがるアムナトから10Rにはホールディングの反則で減点1も奪っていた。

 ところが、ジャッジ3人のうち、1人は114-113で自分の勝ちとしたが、残り2人は負け。特に1人は108-119と減点がなければ、フルマークの完敗の採点をつけていた。

 「階級差の怖さも感じなかった。途中から相手は疲れていたと思う。相手のパンチはブロックしていたけど、それを相手のポイントに取られたのだと思う。全力を出し切ったけれど、判定が割れる試合をものにできずに歯がゆいです」

 夢は終わったわけではない。「まだこんなとこで終わるわけじゃない。3階級制覇の厳しさは分かった。でも必ずその日が来ると思うので…」。試合後と思えないきれいな顔で、恨み言もほとんど口にせず、再出発に目を向けていた。