<プロボクシング:日本ライト級タイトルマッチ10回戦>◇1日◇東京・後楽園ホール

 日本歴代2位タイのスピードKOで新王者が誕生した。同級8位近藤明広(24=日東)は王者三垣龍次(27=M・T)の初防衛戦で、初回早々に右フックでぐらつかせる。さらにラッシュしたところでレフェリーストップとなり、1回45秒TKO勝ちを収めた。日本王座では内藤大助(宮田)の持つ24秒に次ぎ、藤猛(リキ)と並ぶスピードKO決着。28年創設の日東ジムにとっては53年ぶり2人目と、記録ずくめの王者誕生となった。

 初挑戦だった近藤は「失うものはない。チャンスは1回。その時はガンガン行こう」とリングに上がった。そして、あっという間に右フックで王者をよろめかせ、すかさずラッシュ。日本歴代2位タイ、ライト級では最短の45秒でベルトを奪った。東洋大に入学したが「20歳でプロ」と決め、2年で中退して転向。プロデビュー4年、13戦目で、老舗ジムにとって半世紀ぶりの王者。「うれしい。伝統を守れた」と涙が止まらなかった。