大みそか「Dynamite!!」で石井慧(23=アイダッシュ)と対戦する吉田秀彦(40=吉田道場)がアラフォー世代の意地を見せる。28日、都内のジムで公開練習。11月29日のWBC世界フライ級タイトル戦で亀田興毅(23=亀田)に敗れた内藤大助(35=宮田)と、タイトル戦後に食事し、刺激を受けたことを明かした。敗れたものの12歳差で迎え撃った内藤に負けじと、亀田と同年齢で、17歳差の石井打倒を誓った。

 吉田は2年前に知人を通じて内藤と知り合った。亀田とのタイトル戦後、都内のイタリア料理店で初めて会食した。「内藤-亀田戦は年齢差の部分で自分とダブる。一緒に食事して、次はぼくがやらなきゃいけない」と発奮したことを明かした。特に試合の話はしなかったというが、内藤がパンチの衝撃で曲がっていた鼻を、自分で元に戻すパフォーマンスを見せるなど、意気投合したという。

 もっとも、吉田は内藤より5歳年上だ。内藤と同年齢の03年には、PRIDEミドル級GP準決勝で、同GPで優勝し、現在UFCで戦うヴァンダレイ・シウバ(33=ブラジル)と対戦。判定で敗れたものの、殴り合いの真っ向勝負を挑んだ。先月行われたチャリティーゴルフのラウンド後、「35歳ならまだできるが」と弱気な発言もみられた。

 それでも、この日は総合格闘技デビュー戦となる石井に対し、「練習を積んできていると思うが、実戦の部分ではぼくの方が経験がある。そこでは有利だと思う」と冷静に分析した。公開練習を封印し、「吉田先輩がビビってしまうから」とする「石井節」にも、「ビビらせてくれよ。おれも公開練習しなきゃよかった」と大人の対応を見せた。

 金メダルを獲得したバルセロナ五輪から、石井との年齢差と同じ17年が経過した。吉田道場では名誉師範として後進の指導も行う。試合当日は教え子たちが、縦1・5メートル、横8メートルの横断幕を用意。会場近くの広場で応援メッセージを集めて掲げる予定だ。「道場の子どもたちのためにも頑張らなければ」。おやじの意地をみせつけるつもりだ。【塩谷正人】