<DREAM16>◇25日◇日本ガイシホール◇9304人

 石井慧(23=アイダッシュ)が、手堅い寝技攻撃で国内初勝利を挙げた。プロ5戦目として無差別級ワンマッチでミノワマン(34=フリー)と激突。練習を積んできた打撃は出せなかったが、寝技で圧倒して3-0の判定勝利。昨年12月31日のDynamite!!の吉田秀彦戦敗退以来、268日ぶりの日本のリングで白星を飾った。打撃強化を課題に挙げ、K-1

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 GP参戦を希望。またIGFマットでのプロレス参戦に興味を示し、小川直也(42)との対戦も熱望した。

 石井らしく、勝負に徹した。米国で練習を積んできた打撃をみせるはずが、距離感がつかめなかった。ひそかに用意していた強烈な左フックも空を切った。パンチで攻めあぐむと、19キロの体重差を利用した寝技勝負に展開を変えた。テークダウンを奪い、腕ひしぎ逆十字固めや肩固めを仕掛けた。1本ではなかったが、3-0の判定勝利。DREAMのリングで、石井がほっとした表情を浮かべた。

 昨年大みそかDynamite!!の吉田戦以来、268日ぶりの日本リングに自然と体は硬くなった。アントニオ猪木公認の「イノキボンバイエ」で入場。赤タオルを首に巻き、燃える闘魂を憑依(ひょうい)したつもりの石井だったが「やはり海外よりも日本は緊張しました。打撃をやろうと思ったけど、ボクシングやキックボクシングができなかった。そういう課題が残りました」と、か細い声で反省点を挙げた。

 自ら挑戦をテーマに掲げていた。猪木の闘魂注入後は「今まで痛いのは嫌で避けていたけど何でもやらないとダメですね。今回のビンタも思ったより痛くなかった。何でも挑戦することです」とつぶやいた。今回も実戦での打撃が出せなかったことで「自分の成長には打撃面の強化が必要。K-1に出させてもらおうかと思います」と宣言。1週間後に迫ったK-1

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 GP開幕戦(ソウル)をはじめ、12月11日に控えるWORLD

 GP決勝戦への電撃参戦に意欲をみせた。

 さらに一夜限りのプロレス挑戦も表明した。アントニオ猪木が会長を務めるIGF主催の「INOKI

 BOM-BA-YE」(12月3日、東京・両国国技館)で小川直也との対戦を熱望した。

 石井

 日本人で1人やりたい人がいる。それは小川直也。リングは、オファーがきているIGFかな。タッグマッチでもいい。パートナーはミノワマン選手にお願いしたい。

 K-1参戦とプロレスの小川戦。国内初勝利を挙げた石井が新たなフィールドに挑戦の幅を広げていく。【藤中栄二】