WBCダブル世界戦が今日26日、ゴングを迎える。スーパーフェザー級王座に挑む粟生隆寛(26=帝拳)は兄貴分・長谷川の思いも力にし、必勝を期す。

 粟生は「兄貴」と慕う長谷川に勝利のバトンをつなぐ。粟生はネックレスをしたまま、リミットの58・9キロで計量をパスした。「やっと整ったなって感じ」とホッとした表情を見せたものの、ダブル2階級制覇に向けて先陣を切るだけに「自分は自分。そのうえで、良い形でつなげられたら」と、すぐに表情を引き締めた。

 長谷川とは合宿を合同で行うなど「ずっと良いお兄ちゃん」と言う間柄だ。そんな長谷川から先月末、1通のメールが届いた。「お葬式後に『勝手なお願いやけど、2人で勝ってお母さんに報告させてくれ』って。ジーンときました」。粟生にも負けられない理由が、また1つ増えていた。

 タイベルトは58・7キロで計量をパスし「勝つ」と堂々と宣言した。当然、粟生も気持ちは同じだ。「長谷川さんと同じように、泥臭くてもどんな形でも勝てるようにしたい」。2人で歴史に名を刻むべく、まずは粟生が2本目のベルトをがむしゃらに取りにいく。