<新日本:東京ドーム大会>◇4日◇東京ドーム

 IWGPヘビー級王者・棚橋弘至(35)が、挑戦者・鈴木みのる(43)を破った。25分59秒、ハイフライフローから片エビ固めで勝利した。新記録となる11回連続、故橋本真也さんと並ぶ最多タイの通算20回の防衛を果たした。

 棚橋が新記録のV11を達成した。昨年の東京ドーム大会で5度目のIWGP戴冠を果たし、1年かけて積み重ねた新記録の11回連続防衛。「自分でも歴史のあるIWGP王座を最多11回も防衛できるとは…思ってました。自分で“100年に1人の逸材”って言ってるんですから。来年の東京ドームもチャンピオンで戻ってきます」と、3年越しの王座防衛を誓った。

 通算の防衛記録は橋本さんの20回に並んだ。新弟子時代に、同郷ということでかわいがってくれた故郷の英雄だ。「岐阜の大先輩の橋本さんに並べて光栄です。報告に行きたいです」とベルトを持っての墓参を誓った。

 新記録達成の前に立ちふさがったのが、鈴木だった。ファンに喜んでもらえるプロレスを掲げる棚橋に“ストロングスタイル”という刃を突きつけた。89年に新日本を離脱して、UWF、藤原組、パンクラスと遠ざかった思いを「俺がストロングスタイルを教えてやる」とたたきつけてきた。この日も、アントニオ猪木の卍(まんじ)固め、藤原喜明の一本足頭突き、そしてゴッチ式パイルドライバーと、過去の新日本を背負った技を繰り出してきた。棚橋は「鈴木のプロレスをボキボキに折ってやる」と、全ての技を受け続けた。最後は裸絞めをスリングブレイドで反撃。背中へのハイフライフローと、正面へのハイフライフローを連発して、25分以上の死闘にピリオド。“棚橋のプロレス”でけりをつけた。

 昨年5月から侵攻を始めた外敵・鈴木から新日本をエースとして守った。「強くなりたくてプロレスラーになって、いろいろあった。体が小さいとか弱気になる条件があったけど、あきらめなかったのが大事。俺は新日本を愛しているから力が出た」と満足げに振り返った。

 次は通算で新記録となる21回目の防衛を狙う。逸材の進化は止まらない。「まだいろいろな相手と戦いたいし」とキッパリ。「リーゼントとか、奇抜な髪形もしてみたいしね」と笑った。この日も、お決まりの「エアギター」と「愛してま~す」で締めくくった。見る人を笑顔にする王者の道は、まだ続く。【小谷野俊哉】

 ◆棚橋弘至(たなはし・ひろし)1976年(昭51)11月13日、岐阜県大垣市生まれ。99年、新日本入門。同年10月10日、真壁伸也(現・刀義)戦でデビュー。06年7月IWGPヘビー級王座を初獲得。得意技はハイフライフローなど。181センチ、103キロ