<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇10日◇東京・両国国技館◇8000人

 WBC世界バンタム級王者の山中慎介(31=帝拳)が、4戦連続KO勝ちでV5防衛を飾った。2年ぶりの右構え挑戦者となった同級11位アルベルト・ゲバラ(23=メキシコ)のクレバーな動きに攻めあぐねたが、中盤以降に右ジャブで距離を詰め、8回に2度のダウンを奪った。続く9回開始に強烈な左ストレートで沈め、同回25秒、KO勝ちした。

 ゲバラは、新品リングシューズで墓穴を掘った。KO負け後、医務室から戻って来ると、顔を苦痛にゆがめながらシューズを脱いだ。両足裏の皮がはがれ、血がにじんでいた。メキシコから持ってきた慣れたシューズではなく、日本で購入したものをこの日初めて使用していた。3、4回ぐらいから靴擦れを起こし、1度目のダウンでは、体のバランスを崩していたという。アウトボクシングに徹する作戦も靴擦れのために台無しになってしまった。「山中のパンチで効いたのはたった1発。今回の挑戦で一番学んだのはシューズの件」と、淡々と話していた。