長谷川穂積(33=真正)が“女官兵衛”のサポートで3階級制覇を狙う。IBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルティネス(28)との3年ぶりの世界戦へ向けて18日、神戸市内のジムで練習を公開。進退を懸ける元王者の食事面で軍師役を務めるのが、管理栄養士の村野あずささん(41)。ケガ防止用に「コラーゲン摂取」などの助言を受け、体調は万全だ。

 3年ぶりの世界戦は、進退を懸けて挑む大一番。緊張感が漂う会見場で、長谷川は笑って「殴り勝つ!」と言った。「調整も順調。体重も問題ない」。超攻撃的な王者攻略へ、万全の仕上がりを強調した。

 そんな自信の言葉に、うなずく女性がいた。管理栄養士の村野さんだ。09年から長谷川が「高タンパク低脂肪」を基本に助言をもらい、食事面では軍師役を任せる。今年のNHK大河ドラマの主人公「黒田官兵衛」は兵庫・姫路生まれとされるが、長谷川の故郷西脇市にも生誕説がある。村野さんは、まさに“女官兵衛”と言える存在だ。

 「今回の減量は非常にうまくいきました。食べて、水分も取りながらできた。今までで一番いいです」と村野さん。これまで、1カ月前から急激に減量してきた。今回は2カ月前から徐々に減らし、体の負担を最小限に抑えた。昨年までは足が頻繁にけいれんして練習内容も崩れたが、水分補給にミネラル分を含んだ経口補水液を用いて解消。関節の動きを滑らかにするコラーゲンのサプリも摂取し、肉離れなどのケガも防いだ。練習後の体重はリミットまで500グラムの約55・8キロ。早くも安全圏だ。

 体の不安がないからこそ、長谷川も試合に集中できる。「ここまで15年ボクシングをやってきて、1つの区切りとして、自分自身納得できる試合をしたい」。33歳にして過去最高のパフォーマンスを披露する態勢は整った。【木村有三】

 ◆黒田官兵衛(くろだ・かんべえ)1546年12月22日生まれ。当時の播磨国・姫路生まれとされるが、現在の西脇市黒田庄町黒田で生まれたと同地では伝えられている。知略に優れた武将で、豊臣秀吉の軍師として天下統一を支えた。1604年4月死去。