総合格闘技界の世界最高峰UFCのファイトナイト・ジャパン2014大会が、20日にさいたまスーパーアリーナで開催される。日刊スポーツでは「9・20日本大会

 UFC

 今年の顔」と題し注目選手を4回にわたり連載する。第1回は、昨年3月のUFC日本大会以来、約1年半ぶりに日本での試合を行う五味隆典(35)。

 大会後の22日に36歳になる五味は、ある決断を胸に試合に臨む。「年齢的にもUFCのランキングの上にいける最後のチャンス。勝負の世界だから上に上がっていけないならプロを続けてもしょうがない。勝負をかけるときがきた」。五味は、今回のUFCに自分の進退をかけるつもりだ。

 昨年3月の日本大会は、UFCのホワイト社長が疑問を投げかけるほど際どい判定で敗れた。それ以上に、「一番の武器」という右パンチの拳、右手甲中指骨の粉砕骨折という重傷を負った。砕けた骨の部分をピンをいれてつなぎ留め、回復を待つしかなかった。復帰戦は今年4月に米国で行われたUFC172大会。1年1カ月ぶりの試合で3回判定勝ちした。

 「米国本土で1回しか勝っていなかったから、敵地でも練習したものを出せば勝てるという自信になった」と五味は言う。10年3月のUFCデビューから、8戦で4勝4敗の五分で迎える今大会。UFCの公式行事以外はほとんど公の場に出ず「今までで一番練習した」という。その間、テニスの全米オープンで準優勝した錦織の活躍や、ボクシングの世界戦で、壮絶な打ち合いを演じた八重樫の戦いが、何よりの励みになった。「ボクも今回はランキング戦。錦織選手や八重樫君が日本人でも世界に通用することを見せつけた。次は自分の番」。世界最高峰の舞台で、五味は再び自分の力を証明する。【桝田朗】

 ◆五味隆典(ごみ・たかのり)1978年(昭53)9月22日生まれ。神奈川県愛川町出身。98年11月に修斗でプロデビュー。01年12月に修斗世界ウエルター級王者。05年12月にPRIDE男祭りライト級GPで優勝し06年に初代PRIDE同級王者。10年3月からUFCに参戦。173センチ。