三役格行司の式守勘太夫(57=朝日山)が、自らデザインした装束を夏場所で初披露した。

初日に着用した装束は、白地にカワセミが刺繍(ししゅう)されている。2025年初場所から三役格昇進したことを機に、薬局を運営するTasyoデザイン株式会社から贈られた。

勘太夫は「思った以上に素晴らしい。刺繍の凹凸感がすごいんです。職人の腕だなと思いました」と感激。自らデザインを考え、夏場所直前に約1年半かけて完成した。初日の前日に、Tasyoデザインの田中彰人社長ら30人が集まって、お披露目会を行った。

勘太夫がデザインを発想したのは、東京・町田市での巡業がきっかけ。「小さい川があって、すごい人だかりができていました。見に行くと、カワセミが川面に向かってエサを取りにいっていました。その光景がとてもきれいでした」。装束の下部を青のグラデーションにして、水面に見立てた。色違いのカワセミにも意味がある。「同じカワセミでも、朝と夕方では光の加減が異なって、青くも見えるし、緑にも見えるんです」。

図書館で専門書を開いて学び、自ら絵を描いてデザインを仕上げた。軍配を上げる時、東西によってカワセミの見え方が変わる粋な装束になった。

刺繍は間近で見ると、実に細やか。表と裏を合わせると6羽のカワセミが躍動し、すべて動きが異なっている。夏らしくさわやかなこの装束は、5日目にも着用する予定だ。【佐々木一郎】