大関稀勢の里(28=田子ノ浦)が、地元で原点に返った。3日、茨城県牛久市で、お笑い芸人のフルーツポンチ村上健志と共に市の観光大使に任命された。初めて名刺を手にしたが「牛久を有名にするには勝つことが一番。相撲で頑張れば、名刺以上に効果がある。最近は成績も振るわず、牛久市も呼んでくれないので、優勝しないと無理かな」とあらためて心に誓った。

 東京・江東区の尾車部屋で二所ノ関一門の連合稽古に参加し、計17番取ってから車で直行した。だが、大型連休の真っ最中。大渋滞にはまり、急きょJR松戸駅から常磐線快速のグリーン車に乗車。その松戸は旧鳴戸部屋があった地。「十何年ぶりに電車で来た。気持ち良かったです。思い出の地から思い出の地に」。市民からは熱烈な歓迎。夏場所(10日初日、東京・両国国技館)を前に「これ以上、恥ずかしいことはできない気持ちになった」と気合が入った。