驚異のウラバウアーが出た!? 十両の宇良が、衝撃の逆転勝ちを収めた。

 「猛牛」の異名を持つ豊響の強烈な押しに後退した土俵際だった。俵で踏ん張ると、腹を突き出し弓なりになって体を反った。フィギュアスケートのイナバウアーのような体勢で残ると、今度は腹を押してきた相手の力を利用するようにしゃがみこみ、反動で跳び上がって押し返す。逆襲に転じ、最後は相手の小手投げを渡し込みでしのぎ、土俵下へと吹っ飛ばした。

 「諦めず最後まで相撲を取ることができて、良かった」。静かに振り返った宇良だが、館内は大歓声に包まれた。支度部屋も騒然となり、幕内蒼国来は「すごい。信じられない。あんなの初めて見た」と目を丸くするほどだった。

 2日目に珍技首ひねりを披露したばかりの宇良は、これで十両唯一の無傷4連勝。勢いに乗ってきた。