大相撲春場所で左上腕部を負傷しながら劇的な逆転優勝を遂げた横綱稀勢の里が3日、新たに左大胸筋を損傷していることが判明した。

 日本相撲協会が同日に3月27日付の診断書を公表。「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の療養は必要」とされ、「現在精査中」とも記されている。稀勢の里は2日から始まった春巡業を休場。師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は当初、左上腕部の筋損傷とだけ説明していた。

 稀勢の里は3日に東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で稽古を再開。一般や報道陣に非公開で行われ、部屋関係者によるとまわしを締めて四股を踏んだという。巡業休場中であることを考慮し、取材には対応しなかった。

 稀勢の里は春場所13日目の横綱日馬富士戦で敗れた際に負傷。けがを押して出場し、千秋楽に大関照ノ富士に本割、優勝決定戦と続けて勝った。