NMB48の1期生で、自由すぎる性格でメンバーからも愛された近藤里奈(18)が15日、大阪・NMB48劇場でチームM公演に出演し、卒業を発表した。同期の年長組、渡辺美優紀(22)らの“秘蔵っ子”として、ファンからも親しまれた。

 近藤の活動は今月27日の同劇場公演が最後。発表から2週間でのスピード卒業は極めて異例。チームMキャプテンの藤江れいな(21)は「史上最短(卒業)じゃないか」と驚いた。

 アンコールの途中から、うっすら涙ぐんでいた近藤は、最後のお別れコールの直前、藤江に紹介され、マイクを握った。

 「私、近藤里奈はNMB48を卒業します」。近藤の発表に客席がざわめき「本当なんです」と口にすると、一気に涙があふれ出た。「(活動)この5年で、5年で卒業を決めました。まだ何をするかはっきりと決まっていないのですが、ずっと夢だった女優という道を進みたいと思います」と、何度も目元をぬぐいながら、あいさつした。

 近藤は中学生だった10年、1期オーディションに合格。11年1月の劇場初公演から選抜16人に入り、同3月結成のチームNに選ばれ正規昇格した。得意のダンスと、創設メンバー年少組の愛らしさで人気を得て、同7月発売のデビューシングル「絶滅黒髪少女」でも選抜に入った。

 自由きままな発言、行動が「天然ボケ」の域を超え、メンバーからもファンからもかわいがられてきた。将来の夢にはマルチタレントを掲げ、中でも女優業に興味を示していた。ただ、ここ最近は、後輩たちの躍進に押され、シングルの選抜入りもならず、近藤は「この5年、すごい悔しいこと、楽しいこと、うれしいこと、たくさんあった。でもこの5年、悔しいこと(の方が)たくさんあった」と素直な心情を吐露した。

 同時に、わずか2週間後の今月27日に、同劇場で卒業公演を行うことも発表した。

 AKB48グループでは通常、メンバーが卒業を発表した段階では、最終活動の時期は未定であるのが一般的。発表後に運営と相談し、今後の日程を決めるが、近藤のケースは異例。AKB48から移籍したキャリアを持つ藤江も、事前に卒業決意の報告を受けていたものの「何よりびっくりしたのは、卒業が早いこと。史上最短じゃない?」と驚いた。

 スピード卒業について、近藤は「スタッフさんと何度も何度も話し合って決めたこと」とし「残り少ない時間ですが、最後までよろしくお願いいたします」と頭を下げていた。